Tanabe Chikuunsai Ⅳ

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2019年、彼の代表的なアートワークである竹のインスタレーションを、夢工房の香港ギャラリーで制作して欲しいという私たちの希望を快く引き受けてくれた彼。

アート活動の場を海外に広げている彼の独創的な作品は、いつも人々を驚かせ、また彼の持つ平和的なコンセプトは、多くの人の共感を得ています。

私たちの想いと彼の想いを象徴するような作品「Beyond Connection」は、この空間から始まる新しい繋がりを感じさせる素晴らしい作品となりました。

土や風の匂い、木々のざわめき、緑豊かな山々といった自然の風景からかけ離れた都会の高層ビルの中。

けれど大きな窓から差し込む光や時間によって変化していくビルの景色は、この作品を際立たせ互いを尊重するようにそこに違和感なく存在し、自然豊かな表情を見せてくれます。

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「竹ひご」を編んでいくというシンプルな作業。

そのシンプルさは、彼の自由な創造力を生み出しますが、逆にそのシンプルさが制作過程での技術的な難しさでもあるようです。

虎竹という斑模様を持つ貴重な竹を素材として制作が行われます。この虎竹が表情豊かな陰影を作り、まるで命を与えられた生き物のように躍動します。

竹材を選び、丁寧に加工を施し、どうすればその竹ひごが美しく優雅に、そして自らが思い描く形を成すのか。

彼はいつも試行錯誤を繰り返しているのでしょう。

新しいアイデアはもちろん、伝統的な竹工芸の編組技術や経験が制作の土台となっています。

四代竹雲斎のアート活動の中核をなすコンセプトは、自然環境の保全や天然資源の再利用、古くから大切にされてきた日本の精神性、伝統を守り育てる責任といった、現代では失われつつある思想です。

そういった思想は、日本だけでなく海外の人にも作品を通して浸透しています。